健康についてのパラダイムシフト〜ホリスティックな健康観①

自分の健康を自分で守るために

人は誰しも健康に天寿を全うしたいという願いを持っているものです。

人生100年時代と言われ、そして個人の生き方や働き方がより多様になりつつある現代。
だからこそ、自分自身の健康をマネジメントすることは多くの人にとっての関心事であるはずです。

心身ともに健康であるためにはどうすればよいのでしょうか。
私たちはあらゆるヘルスケア法について情報を集めることができます。
しかしながら、断片的な知識や一時的な実践だけで永続的な健康に役立つとは言い難いことも多いでしょう。
ましてや、一人ひとりの個人差があるのはもちろん、巧妙なメカニズムで成り立つ生命体である私たちにとって、一辺倒な考え方や唯一の手段が健康維持に有効であるとは考えにくいです。

心身のコンディションを良好に保つこと、あるいは日常の中で起こる不調に対して、一時的で部分的な方法を探す前に、

「健康とは?」

について考えることはとても有意義なことです。

なぜなら、自分自身の健康を自分で守ろうとするのならば、健康についての普遍性のある概念を持っておくことが必須だからです。

あなたにとって、健康とは何でしょうか?
病気とは何でしょうか?

思い描く人生をおもいきり楽しむ上で、極めて大切な基盤である健康。
私たちはそれぞれの本業に集中するために、信憑性の低い健康情報や他者の体験談に奔走してしまうような時間や労力は惜しまなければなりません。

誰もが死ぬまで健やかでありたいと願うもの。
それを実現するためには、健康や病気についての常識や当たり前とされてきたことを一度見直す必要があります。
既存の見方、考え方、価値観と、それによる無意識的な行動を改める余地が大いにあるのです。

私たちには選択する自由があります。
健康のための多種多様な方法の中から自分で納得し、選択し、実質的に役立つようにするために、健康についての価値観をシフトチェンジするための「ホリスティックな健康観」について書いてみたいと思います。

 

健康という言葉の意味

健康とは何か?と問われて、「病気ではない状態」という否定形を含んだ表現にはどうも納得がいかない気がします。
「病気とは何か?」「なぜ病気になるのか?」「なぜ治癒が起こるのか?」「人間とは?」「生きるとは?」・・・。

健康について考えを深めていくと、極めて哲学的で神秘的な領域に思い至ります。
哲学者でもない私たちが健康について明確に定義することはとても難しいことです。

そこで、健康とは何かを理解するために、言葉の語源的な意味にヒントを見出してみます。
健康=healthの語源は「holos」。
ギリシア語で「全体」を意味する言葉です。
同じ語源から他に、holy(神聖な)、whole(全ての)、holistic(全体的な)、healing(癒し)などの言葉が派生しています。

このように、健康とは古の時代から「全体なるもの」という意味が根底に流れていることが分かります。
健康とは、人間(=自然)として生きとし生けるものとつながりながら、いのち丸ごとの全体が調和する状態と言えます。

 

目には見えない力

ところで、人間のいのちを動かしているものは何でしょうか。
私たちは生まれる時や死ぬ時を自分の意志で決めることはできません。
あまりにも自然で当たり前なので自覚できませんが、私たちの肉体を機能させ心臓や呼吸のリズムを刻ませているのはこの無自覚の「働き」です。
自分の意志の及ばないものである以上、私たちはその目に見えない力に「生かされている」と表現したりします。

ここで少し私の経験をお話しさせていただくと、学生時代に生物の研究をしていた頃のことです。
生命の仕組みに興味があり、分子生物学の研究室に入りました。

ある細菌の遺伝子について研究するなか、ミクロの世界の中を知れば知るほど、その極めて小さな生命体の偉大さに驚いたのです。
それはとても小さな細菌の遺伝子についてでしたが、これが人間の遺伝子ならばどうだろうと想像すると、科学的な手段では到底辿りつけないような、人智の及ばないような領域があることを感じずにはいられない体験でした。

それは、大自然の中に身を置いたり、季節の変化を風で感じたり、旬の食べ物の滋味を感じたりするような、自然とのつながりを体感し、今ここに生きている奇跡を思い出すような感覚と似ています。

人間はこの「形なき存在、力、働き」によって生きている。
宇宙の、大自然の、私たちには計り知れないような力。
Spirit、Something great、神、大いなる存在・・それを何と呼ぶかは様々です。

 

健康とは魂を含めた全体

よって健康を考えるとき、自身で認識できる心とからだのみならず、私たちを生かしめているその働きを含めた全体として調和していることが肝要であると考えます。

 

つまり健康を、

心(mind)、からだ(body)、魂(spirit)の全体

という視点で観るということです。

 

魂の喜びのままに生きていますか。

不調が起こるのはこの均衡が崩れることであり、病気は元の調和した状態に向かうための現象と捉えることができます。

すると、病気に対する感じ方、考え方がきっと変わるのではないでしょうか。

 

 

続きます。。