ハーブチンキとは ハーブチンキの利点と効果の高め方

ハーブチンキ(ティンクチャー)は、ヘルスケアのためのハーブ活用法の一つです。ハーブとウォッカがあれば家庭で簡単につくることができます。なおかつ、少量で摂取がしやすいという便利なナチュラルレメディです。

ハーブチンキを満月の日に仕込めば、新月の頃合いには出来上がります。自らの手でつくること、慈愛の精神とともに時間を重ねることこそが、ハーブの効果を最大にします。薬草たちは人間の手によって心とからだを調和する完全なレメディとなるそのときを、瓶の中でじっと待っています。

もくじ

ハーブチンキとは

ハーブチンキとはハーブの花、葉、根などをアルコールに浸し、有効成分を抽出したものです。薬用酒に長い歴史があるように、健康のために薬草を用いる方法として古くから受け継がれてきました。

アルコールは水とも油とも仲良し。よってハーブの水溶性成分と脂溶性成分の両方を溶かし出すことができます。これは水溶性成分のみを抽出するハーブティーと比べると成分的にも大きく異なります。

何と言っても、ハーブチンキは摂取量が少量でよいという点でとても便利です。苦味の強いハーブを摂りたいとき(ハーブティーで飲みにくいとき)、夏の暑い日に熱いハーブティーが向かないとき、子どもにハーブティーを何杯も飲ませるのが難しいときなどにも役立ちます。

目的に合ったハーブチンキを選んで飲用します。たとえば風邪の予防と初期の手当てにはエキナセアチンキを、心の不安定さにはセントジョンズワートチンキというように。

外用としても有効です。擦り傷の消毒にはカレンデュラチンキを水に薄めて使い、スキンケアローションにはローズチンキやカモミールチンキを混ぜることができます。ハーブチンキを使いたい時にすぐに手にとることができれば、家庭のナチュラルレメディとしてとても重宝します。

ハーブチンキの利点

摂取が簡単

口内に直接滴下するか、水などに薄めて飲みます。1回につき1〜5mlほどを1日に3回が基本摂取量です。

体内への吸収が早い

口内の粘膜から直接吸収されるので、風邪による喉の炎症や口腔内のケアに特に適しています。水にハーブチンキを薄めたうがい薬は感染症予防にも効果的です。

長期間の保存ができる

ハーブチンキは1年以上の保存が可能です。

持ち運びに便利

外出先でハーブティーを作ることのできない環境でも活躍します。緊張や不眠など、旅先で起きやすいトラブルにも対応できます。

デメリットは、アルコールが体質に合わない方、乳幼児には向いていません。(それでも摂取したい場合は、アルコール成分を揮発させてから摂取するか、アルコールの代わりにグリセリンで抽出したものを選びます。)

ハーブチンキを手作りする理由

ハーブ療法の効果は、「自らの手でレメディ(自然薬)をつくること」からすでに始まっています。心とからだの声を聴き、それに相応しいハーブを選び、レメディをつくるというプロセスこそが心身の調和のために大切だからです。自前で育てたハーブならば、なお最高です。

ハーブを瓶に入れて、そこへウォッカを注ぐ。拍子抜けするほど手間はかかりませんが、「時間をかける」というところが他の活用方法にはない特徴です。

ご自身や家族のためのハーブのレメディをつくるときは、「慈愛」の心を込めて。子どものためにハーブレメディをつくることは、我が子を慈しむ母の深い愛情を再び思い出すための絶好の機会です。

「最大の薬は、医者の病者への慈愛である。」

ハーブの庭から伝統薬を人々に与えた修道女の言葉

月が欠けていくあいだは、瓶を振ったり、中に浮かぶハーブの様子を観察したりします。そうして完成までの時間をじっくりと待ちます。ハーブたちも、私たちの日常の様子を瓶の中からずっと見ています。笑い声も、泣き声も、きっと聴いていることでしょう。

作り手の精神と、日々の時間。それがより効果の高いハーブチンキを完成させていくためのアルケミー(錬金術)となります。

ハーブがあなたの中にある自然の力と結びつくように意図して使えば、より一層効果は高くなります。

いざ、ハーブチンキをつくろう

もしジャムの瓶が空いたのならば、ハーブチンキをつくるために一つとっておきましょう。ハーブとウォッカさえ用意すれば、チンキづくりをすぐに始めることができます。

ハーブを手にとりたくなるのは、心の、からだの調和を取り戻したいとき。ハーブチンキが出来上がるまでの時間もまた、よき助けとなりますように。

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