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風邪のための自然療法セルフケア #05 なぜアロマセラピーは風邪予防とケアに役立つのか?
「風邪のための自然療法セルフケア」シリーズ、今日はアロマセラピーについてです。
アロマセラピーは植物の香りを活用する自然療法
アロマセラピーは、植物(ハーブ)から抽出した「香りの成分」を心身の健康に役立てる自然療法です。
香りの成分を、「精油」または「エッセンシャルオイル」といいます。精油はハーブの花、葉、果皮などの部位から抽出され、ラベンダー、ペパーミント、レモンなど数多くの種類があります。
ハーブの持つ成分を活用するという広い意味ではハーブ療法(メディカルハーブ)と呼ぶこともできますが、特に「精油」を活用する分野としてアロマセラピー(Aroma=芳香、therapy=療法)があります。
2つのアプローチ
さて、精油についての多くの研究で明らかになっているように、風邪やインフルエンザといったウイルス性感染症の予防やケアとしてアロマセラピーが高く期待されています。
なぜ風邪対策にアロマセラピーは有効なのでしょうか。具体的な実践方法をご紹介する前に、その理由を少し紐解いてみましょう。
風邪の予防とケアとしてのアロマセラピーには大きく分けて2つのアプローチがあります。
(1)感染を防御する(ウイルス側)
(2)免疫力を高める(自分側)
(1)精油の抗ウイルス作用
感染症を引き起こす病原体であるウイルスに対して、精油は非常に強い活性を示します。ウイルスは脂溶性の膜に覆われていますが、それに容易に付着できるのが精油です。精油は親油性という油と仲良しの性質を持つからです。
一つの精油には多様な成分が含まれていますが、なかでもウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスの活動を弱めさせる作用を持つ成分を多く含む精油があります。
例えば、「ティートゥリー」という精油は、そのような強い抗ウイルス作用を持つため風邪対策でよく用いられます。
手や鼻・喉の粘膜に抗ウイルス作用を持つ精油成分を付着させてウイルスを弱らせることにより、予防や症状の緩和に役立てることができます。
(2)香りと免疫系
私たちには自律神経系、内分泌系、免疫系を中心とした心とからだの安定を保つシステムが備わっています。天然の芳香物質である精油は、これらの働きを維持したり活性化させたりする助けになります。また、香りが心理面へ大きな影響をおよぼすことは、多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。
ところで、心やからだが疲れていたり、睡眠が不足がちの時、風邪をひきやすいです。それは免疫系の働きとストレス状態が密接に関わっていることが一つの理由です。
ヒトはウイルスに感染すると「抗体」をつくって対応します。けれども、抗体をつくる力は、強いストレスを受け続けると弱くなってしまうのです。
よって、免疫系が良好な状態を維持するためには、なるべくストレスの少ない状態を心がけることが大切になります。
ラベンダーなどの花や、オレンジなどの柑橘の精油には心とからだを鎮めリラックスさせる働きがあり、ストレス緩和に役立ちます。心地よい香りで心身のストレスを落ち着かせることが、免疫力を高めることにつながるのです。
心やからだのくつろぎ、質の良い睡眠など、免疫力を維持し風邪をひきにくい状態を保つことにアロマセラピーを役立てることができます。
ホリスティック・アロマセラピー
風邪対策のためのアロマセラピーとして、感染を防御する、免疫力を高めるという2つの効果をご紹介しました。
他にも、炎症を鎮めるなど風邪の諸症状に精油を活用することができるので、アロマセラピーの有用性はこの限りではありません。
私は風邪対策にアロマセラピーを積極的に活用していますが、ウイルスを弱らせたり、症状を和らげることよりも、心身の緊張を解きほぐす暮らしを日常的に整えることを大切にしています。
風邪をひいた時だけに精油を使うのではなく、心の面も含めた日頃からのセルフケアに重きを置いた精油の活用は、よりホリスティック(全体的)なアロマセラピーと言えます。
そして、ウイルスも私たちと同じ生きている生命体です。
ウイルスをやっつけることに躍起になりすぎず、ウイルスとうまく「共存する」という視点もあってもいいのではないかと思います。
ウイルスを悪者にしないために、ウイルスと出会っても影響を受けにくい自分自身であることを心がけたいものです。