プラネタリーヘルスという健康観

先日、ホリスティック医学協会のシンポジウムに参加しました。
テーマは「医食農源〜これからのライフスタイル〜」。「プラネターヘルス」という視点から、人、食、農、地球をつなぐより豊かな生き方について、講演などを通して探究しました。

会場は皇居のお膝元である東京・麹町にある「LIFULL TABLE」。今年は例年の講演スタイルとは違って、カフェでのランチ付きフェスイベントとして開催されました。

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「プラネタリーヘルス」とは

特に印象深かったのは、医師の桐村里紗さんによる「プラネタリーヘルス」についてのメイン講演でした。

プラネタリーヘルスとは、2015年に医学誌『The Lancet』で提唱された概念で、「人類の文明とそれが依存する自然システムの健全性」と定義されます。

簡単に言うと、人の健康は、自然、社会、経済を含む地球丸ごとのシステム全体が健康でなければ成り立たないということです。

桐村医師のお話のなかで、「地球巨視的視座」という考え方に私は非常に共感を持ちました。自分を宇宙・地球規模でつながり合う大きなネットワークの一部として捉え、その全体を自分ごととして考えること。聴講しながら、いのちの仕組みとしての一体感という生命観を持つことの必要性について改めて実感しました。

さらに、いのちのつながりを生物学的な視点でみると、私たちのDNAには数十億年の進化の歴史が「積層」として刻まれています。人間には植物の情報、動物の情報が畳み込まれるように保存されており、根源的なレベルで結びついていることを示しています。私たちと自然・地球・宇宙のあらゆる生命の一体性は、単なる精神的な概念ではなく、生物学的レベルでも明らかです。

つまり人が健康に生きるためには、土壌を整え、食をより健やかにし、人的な資本を生かしながら自然環境を回復・再生していくこと。経済も含め、そのような活動を通じて人の健康と地球の健康を同時に実現していくことが重要であることを学びました。

オーガニックランチBOX。とても美味しかったです!

また、日本古来の自然観との関連についても触れられました。神道やアニミズムの「自他一如」の思想、そして空海が説いた「自利利他」の概念が、現代のプラネタリーヘルスと深く通じるものがあることを知り、とても興味深く感じました。

実際に、古くからの神道的な観念と仏教的な観念が混ざったような自然観・生命観が日本人にはあると思います。「人と自然の調和」という概念は感覚的にも当たり前のように私たちのなかに存在していて、それが現代の科学的知見と融合することで、新しい健康概念として甦っているような感じがしました。

ハーブ療法もプラネターヘルスの実践

その他のステージでは、各地でリトリート施設を営む方々によるトークセッションや自然栽培についての講演もあり、とても濃い内容の学びとなりました。

セラピー体験コーナーもあり、私はリフレクソロジーの施術をしてもらいました。頭のみならず足裏も刺激的な一日を過ごしました。

ハーブ療法(メディカルハーブ、アロマセラピー、フラワーエッセンス)もプラネタリーヘルスの健康観と深く結びついています。個人の健康のためだけでなく、あらゆる生命と共生する、地球全体にとってのヘルシーな実践としてハーブ療法を継承していきたいと改めて感じました。

ありがとうございました。

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