風邪の自然療法セルフケア 冬のブレンドハーブティー

もくじ

ハーブのお茶を創るということ

なぜハーブティーを飲むのでしょうか。それは、健康的で、創造的で、美味しくて、楽しいからです。ヘルスケアの視点からすると、ハーブは医薬品と違って不調に対して予防的に活用できることは大きな利点です。ハーブには免疫系や神経系の乱れを整える働きがあります。特に一般的な風邪の場合、疲労感を感じたり、ストレスがかかったとき、心身のちょっとした違和感など、風邪の前兆や初期症状が現れるような時こそハーブの出番です。

またハーブティーは数種類のハーブを組み合わせてカスタマイズできます。1種類で飲むことももちろんできますが、2〜3種類を混ぜ合わせることでハーブの効果をより高め、なおかつ美味しく飲むことができます。

欧州でのハーブ療法のように、ハーブの大部分を薬として捉えるならば美味しさをそこまで求める必要はないのかもしれません。けれども、とりわけハーブティーはある程度継続的に飲むことで効果があるもの。そして日常でのセルフケアとして実践するならば、暮らしを豊かにするものでなくてはなりません。効能は高いけれど口に合わないのであれば、それは味や香りを調整する余地があるのです。

個々のハーブの特徴を知り、数種類の組み合わせを編み出し、分量を調整しながら一つに合わせる。その調和の整った一杯のお茶は、一種類ずつ何杯も飲むよりも、心とからだにより一層の安らぎと健やかさを与えてくれます。

風邪の流行期に飲むハーブティーのためのハーブ


エキナセア Echinacea angustifolia , E.palida , E.purpurea
根、地上部はすべて薬用で、北米の先住民のあいだで古くから重宝されていたハーブです。薬草療法家、ナチュロパシー医をはじめ多くの人々から珍重されています。免疫賦活作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用があり、特に上気道の感染に特に効果があるとされます。(エキナセアに含まれる多糖体という成分が、免疫細胞であるマクロファージを活発化させ、ウイルスの増殖を抑えるインターフェロンという物質をつくる働きを促進します。)

エルダーフラワー Sambucus nigra
欧米の伝統医学では風邪の特効薬として用いられてきたハーブです。豊富に含まれるフラボノイドは発汗作用、利尿作用に優れています。風邪のひき始めに飲むと効果的です。鼻や喉の症状や粘膜の保護にも役立ちます。

リンデン Tilia europaea
エルダーフラワーとの相性が抜群に良いハーブ。発汗作用、利尿作用があることから古くから風邪のケアに用いられています。リンデンの花の甘い芳香には鎮静作用があり、不安や緊張を解くことに役立ちます。

風邪のためのハーブは他にもたくさんありますが、飲みやすさを重視して選んでみました。

喉や鼻など呼吸器系の不調に合うタイム Thymus vulgarisや、炎症で消耗するビタミンCの補給に役立ローズヒップ Rosa caninaなども有用です。

ハーブティー ブレンドレシピ

風邪のセルフケアに有用な代表ハーブを使ってシンプルなハーブブレンドを作ります。ハーブティーを飲む都度にブレンドしても良いですが、幾日分ほどの量をまとめてブレンドして瓶に入れておくととても便利。

エキナセア 2
エルダーフラワー 1
リンデン 1
(数字は比率)

この3つのブレンドを中心にアレンジしても良いです。喉が気になる時はタイムを少し加えたり(香りと味が強いので比率は0.5以下)、疲労回復したいときにはローズヒップを加えるなど、目的に応じて調製します。

お茶を楽しみながら健やかに暮らす

ハーブのブレンドの魅力は、自らの手によるクリエイティビティと暮らしの中で工夫するオリジナリティにあります。

中心となるエキナセアに、エルダーフラワーとリンデンの黄金コンビを加えてみました。甘い花々の香りの中にタイムのすっきりとした味をバランスよく調合できるとちょっと嬉しいです。小学生の息子にも飲みやすいようです。

冬はあたたかい飲み物が必須です。食事や睡眠など免疫を維持するための基本的なライフスタイルを実践しながら、ハーブティーの組み合わせをいろいろと実験して楽しんでみる。そうしているうちに、春がやってくるでしょう。

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