花のエネルギーを心のセルフケアに役立てる「バッチフラワーレメディ」は、家庭内だけでなく一部の医療機関でも実践されています。
先日に「医療のためのバッチフラワー症例発表会2025」が開催されました。主催は統合医療を目指されている薬剤師の山田智子さん。英国バッチ財団登録国際プラクティショナーでもあり、バッチフラワーレメディの普及活動を共にする同志です。山田さんのお声がけで発表会を知り、出席させていただきました。
医療現場でのバッチフラワーレメディの実践や、さまざまな症例を聴きました。そうするうちに、私はバッチフラワーレメディを人々に伝えることへの情熱が再び込み上げてくるのを感じました。“バッチフラワーレメディと医療をつなげたい。” 私もプラクティショナーとして仲間とともに統合医療への共感を高めました。
今回の発表会の内容をまとめ、感想を書き記しておきたいと思います。
医療現場でのバッチフラワーレメディの実践
基調講演は2名の医師による、医療現場でのバッチフラワー実践についてのお話でした。
響きの杜クリニック院長の西谷雅史先生は、婦人科を主にして統合医療を実践されています。1500症例を超えるクライアントの体験から、さまざまな代替療法のなかでもバッチフラワーレメディは心のケアのために有効であると認め、診療の基本にされています。
バッチフラワーレメディは抗うつ剤や抗不安剤に代わるだけでなく、その人の生き方を見直す機会となり、自然に生きる力を回復させる作用をもたらします。
西谷先生はクライアントの内面について、ゆっくり丁寧に話を聴くことを大切にされています。診療の時間的な制約を減らすために、医師であるご自身とバッチフラワーレメディを専門とするプラクティショナーが共同で対応することが望ましいとのことでした。
公認心理師の白石由利奈先生は、心療内科クリニック内でバッチフラワーレメディを実践されています。レメディの選び方に詳しい『バッチフラワーBOOK』の著者でもあり、NLP(神経言語プログラミン グ)&バッチフラワー外来として10年間にわたりセラピーを提供されています。
白石先生は3つのケースを例に、バッチフラワーレメディが感情を好転させ、クライアントご自身が生きる希望を見出していったことを強調されました。
虐待やパワハラによるトラウマから鬱状態だった60代女性、DV被害によるPTSDや双極性障害を起こしていた20代女性、パニック障害やPTSDで長年悩んでいた30代女性。いずれの方もレメディを生きる力の助けとして活用した結果、心を回復させ本来の自分自身の道を見つけることができたというお話でした。
そしてバッチフラワーレメディの有用性について、以下の2点を示されました。
・バッチフラワーレメディは副作用や依存性がない、なおかつ鬱や不安のための精神薬剤に比べてかなり高い確率で改善がみられる。
・バッチフラワーレメディは、症状の急性期、回復期、成長期のどの段階においても対応できる。
白石先生はレメディの理解や伝え方の重要性はもちろん、クライアントが希望を持てるようにプラクティショナー自身も人間として成長し続けることを大切にされています。
そして、一般公演では今回集められた17症例のうち5症例について発表されました。看護職の方ご自身のメンタルケア、ADHD児童のためのリフレクソロジーとの併用、幼児の心因性の頻尿と母親のケア、がんとともに生きる、強迫性障害の不登校生徒と家族のケア。どのレメディを使用し、どのような変化があったのかについても共有され、大変具体的な内容でした。
抄録集もいただき、他にも多数のケースについて知ることができ、大変参考になる有意義な症例発表会でした。
感想
バッチフラワーレメディは現代医療では手の届かない心理的、精神的な領域を扱うことができるのが大きな利点です。
一人一人のクライアントに寄り添う医療の実践のために、内面について丁寧に傾聴し、自己理解や自己受容をサポートするプラクティショナーの役割は大きいと改めて感じました。
一方で、緊急の医療的な対応が必要な場合においては、バッチフラワーレメディの適用できる範囲を充分に理解しておく必要があります。
バッチフラワーレメディはどなたでも簡単に実践できるのが特徴であり、心身の症状の種類やその重症度に条件はありせん。
けれども、クライアントが適切な医療を受けなければならない可能性も視野に入れて対応する必要があると私は考えています。
バッチフラワーレメディを統合医療として実践するには、医療従事者とプラクティショナーが連携することによって一人一人のクライアントに充分なサポートが行き届くことが望ましいです。私はプラクティショナーとしての役割を再度確認し、医療との連携体制を整えることを今後の課題としたいです。
とても有意義な機会をいただきました。バッチフラワーレメディを必要とする人に届けたいという気持ちをより一層高めて、個人相談や講座などの普及活動にこれからも励みたいと思います。