自然の理

立春 2022

今日は立春。新たな始まりの季節はいつも胸が踊ります。一年のうちで春ほどその到来を待ちわびるものはありません。そうは言っても浮き立つのは心ばかりで、目の前には冬の景色が広がり、大寒の時節を過ぎても寒さはまだ続いています。

昨日の節分には恵方巻きを作って食べ、豆まきをしました。先日は毎年恒例の味噌作りを家族総出で執り行い、これから熟成を待ちます。

日本古来のライフスタイルを大切にすることが、心身ともに健やかであることの秘訣ではないでしょうか。どんな時代の変遷があっても変わらぬ暮らしの軸は、人生100年時代において長寿を恩恵とするためにもなくてはならないものだと思います。

渦中であっても静観し、心とからだを養い、自分の道を自分なりに進み、つつがなく日々を過ごすことができているのは、自然を感じ調和しようとする意識だと思います。ライフスタイルは感覚と意識。心・からだ・精神は波のように揺らぎながらも、その感覚と意識こそが中庸を成り立たせています。

太陽や月や季節の流れを大宇宙とするならば、人は小宇宙として呼応しているという考え方があります。自然の理(ことわり)が調和している状態が健康であり、乱れた状態が病気です。肉体と感情だけでなく、精神や霊性の部分ももちろん含まれます。この考え方に私は自身の病の経験からも身を以て共感しています。

冬芽がだんだんとほころぶ様子は春の兆しを知らせ、期待をふくらませています。じっとしながらも、いのちを絶え間なく躍動させるのです。寒い冬のあいだに蓄えたエネルギーを解き放つ時。私も春の気に逆らうことなく、そろそろ活動を始めたいところです。

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