朝夕の肌寒さが日ごとに増して夜が長くなってくると、エキナセア・シロップのことを気にかけます。風邪が流行する冬の季節のセルフケアにふさわしい、エキナセアというハーブ。それを煮出してシロップにしたものです。甘い口当たりは子どもにも親しみやすく、長期保存ができるので必要な時にすぐ手にとることができるととても便利。我が家では風邪の予防とケアのために常備しています。
手間と時間をかける
エキナセア・シロップのようなハーブレメディはオンラインショップで手軽に買うことができます。それでも、手作りする理由があります。
ハーブのナチュラルレメディ(自然療法)の効果は、レメディが完成するまでの過程にも含まれています。自らの手で、自分のために、家族のためにレメディをつくる時間とその作業にヒーリングの意味があるのです。
またシンプル&エコロジカルライフの視点では、自分で作ることができるものはなるべく家庭で作りたいもの。市販品を購入するたびに空き瓶を増やさないため、海外からの輸送の回数を極力減らすためです。
エキナセアをはじめハーブレメディは海外サイトでは豊富な品揃えがあります。私も時々購入しますが、暮らしに必要なものを自らの手で創り出す喜びには代えられません。子どもと一緒にレメディ作りをするならば、なお一層そう感じるのです。
エキナセアは免疫系を活性化する

シロップの材料は、エキナセアを中心とする免疫系の活性化に役立つハーブです。
エキナセアは北アメリカの先住民が用いた薬草で、欧州でもその薬理活性に価値を認められる最も伝統的なハーブの一つです。
エキナセア属の中で薬用として用いられるのは、angustifolia種、pallida種、purpurea種の3種類。エキナセアの根、葉、花の部位に含まれる成分は白血球の活動を活発にし、急性の感染症に対処するために短期的に使われます。
ドイツコミッションE(国家機関)ではエキナセアの有効性と安全性が認められています。ある研究では風邪にかかるリスクを減らし、風邪にかかった場合その期間を1−2日間短くするという結果が出ています。
エキナセアは、メディカルハーブとして適切な使用においては安全なハーブです。ただし、キク科植物に対するアレルギー反応の可能性や、自己免疫疾患をお持ちの方は禁忌であると言われています。
エキナセア・シロップの作り方
ハーブのシロップ剤ははちみつか砂糖で作りますが、今回は砂糖を使ったレシピです。
準備するもの
【材料】
・エキナセア(根) 20g
・エルダーベリー 20g
・タイム 10g
・生姜(生の薄く刻んだもの) 50g
・きび砂糖
【道具】
・鍋
・ガラス瓶(保存用)
・ガーゼ
*ガラス瓶は煮沸消毒してから使います。
作り方
1.鍋にハーブと水500mlを入れて弱火で煎じる。
2.3分の2から半量ほどになったら火を止めて、ガーゼで濾す。
3.濾したものを鍋に戻し入れ、きび砂糖を加えてよく混ぜる。(砂糖は煎じた液の重さに対して半量〜同量以上に調整する)
4.冷めたら殺菌済みのガラス容器に入れる。
飲み方
小さじ1杯を1日に1〜3回。そのまま、またはハーブティーや白湯に入れて飲む。感染しておらず予防として飲む場合には半量でよい。
*子どもへの適用について、年齢によって異なりますが、たとえば学童期の子どもには大人の半量以下が目安です。
秋山 真理子
自然と調和する暮らしのためのハーブ療法(メディカルハーブ、アロマセラピー、フラワーエッセンス)を研究。ナチュラルライフ歴15年以上。2009年より家庭のセルフケアを学ぶ「ナチュラルレメディスクール フランフルール」を主宰。健やかでクリエイティブな暮らしについて発信中。 >>プロフィール詳細