風邪の自然療法セルフケア タイム 子どもへの活用法

「子どもが心身ともに健やかに育ちますように」そして「小さな子どもはなるべく自然のものでケアしてあげたい」そんなお母さんの願いを叶えるのがハーブを使ったお手当てです。

タイムは、呼吸器系に有効なハーブです。精油と比べて、刺激の少ないドライハーブを使った子どものための風邪の予防とセルフケアの方法があります。風邪の流行期や喉の不調に役立ちます。

ハーブの効用はもちろん、ハーブのセルフケアは親子関係を良好にする機会になります。それは子育て全体にも良い影響を生み出します。母と子、互いの安心感こそが自然治癒力を活気づけるのです。

もくじ

タイム Thymus vulgaris

中世ヨーロッパで黒死病(ペスト)の流行時、タイムは「悪魔に打ち勝つヒーロー」として勇気の象徴になりました。 細菌の存在や感染のメカニズムが解明されていない昔の時代では、病は悪魔の仕業と見なされており、タイムはそれに対抗する唯一の手段だったからでした。

タイムは可愛らしい小さな緑色の葉を無数につけています。特徴的な強い香りは、チモールやカルバクロールという芳香成分(=精油)。そのほかにフラボノイドやサポニンなど多様な成分が含まれます。

タイムは次のような作用があるため、感染や呼吸器系の不調によく用いられる代表的なハーブです。

・抗菌作用
・抗ウイルス作用
・気管支鎮痙作用(気管支の痙攣を鎮める)
・鎮咳作用(咳を鎮める)
・去痰作用(痰を出しやすくする)

風邪予防とお手当てとして、粘膜の保護や上気道カタル(喉のいがいが、咳、痰、鼻水など)症状に役立ちます。

タイムの活用法


1 うがい水

こちらはフレッシュハーブです。ベランダ菜園でも簡単に栽培できます。ドライハーブでもOK。
濃いめのハーブティーを作る要領で浸剤を作り、冷ましてからうがい水として使います。

2 蒸気吸入

当時のジュニア(息子)。ちいさっ。

お湯を入れた洗面器にタイムを入れます。タイムの芳香が乗った湯気を、喉や鼻に行き渡らせるイメージでゆっくりと吸い込みます。 粘膜や肺胞へ直接的に作用させることができますので、この蒸気吸入は呼吸器系のトラブルにとても有効な方法です。

ドライハーブではなく、精油を使った吸入方法もありますが、小さな子どもにはより刺激の少ないドライハーブでおこなう方が適しています。

3 温湿布

蒸気吸入が終わったら、そこへ熱めのお湯を足し、タオルを浸して湿布にします。胸や背中に湿布してあげると気持ちよさそうな顔をします。

ハーブを使ったお手当ては、子どもをよく観ることや、子どもが感じていることにじっくりと注意を向けるための機会になります。「大丈夫だよ」「温めてあげるね」と、そんな親子のコミュニケーションとスキンシップが子どもにも母親にも安心感をもたらし、自然治癒力を高めてくれます。

実践者の声

私は息子(2009年生まれ)の妊娠・出産、子育てのためにハーブをはじめとする自然療法を実践してきました。そのなかで実感するのは、ハーブそのものの有用価値はもちろん、親子関係を良好に維持する手段になっているということです。そして母親自身の安心感にもつながる。それが子どもの心身全体の健やかさを養うことに影響するのだと感じています。

おかげで息子は薬いらず。ハーブを活用しながら風邪を自然治癒させて、日々の成長を見守っています。

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