アロマセラピーのはじめかた まず揃えておきたい基本の精油12種

アロマセラピーをこれから実践してみたいならば、まずは精油(エッセンシャルオイル)を入手することです。精油には数多くの種類があり、使う順番があります。初歩の方にふさわしい精油を選ぶ基準は、「使いやすさ」です。まず最初に揃えておきたい基本の精油12種類を選んでみました。 

もくじ

精油の使い方には順番がある

物事を習得するには順番があります。アロマセラピーも同じく、ヘルスケアに有益なものとして身につけるには順序よく知識を得ることと、実践することが大切です。

アロマセラピーに興味を持たれたならば、まずは精油(エッセンシャルオイル)を入手することです。

精油は原料植物の香りの違いだけでなく、実践する上での特徴が異なります。精油の成分やエネルギーによる作用、用途、ブレンドのしやすさ、安全性、価格など、種類によって様々です。

家庭でアロマセラピーを実践したい私たちが一般的に入手できる精油は、少なめに言っても100種類以上あります。初心者向けのもの、セルフケア実践者にスタンダードなもの、マニア向けのもの、色々とあります。アロマセラピーをスムーズに暮らしに取り入れたいのならば、知識や実践レベルに応じた順番で精油を買い揃えていくことが大切です。

ところが、初歩の方が手始めとしてふさわしくない精油を選んでしまうとどうでしょうか。使い切ることができずに精油を無駄にしてしまったり、アロマセラピーの愉しみや効力を実感することなく断念してしまう。それはとても残念なことです。

精油の選び方として、好きな香りを選ぶというのは正しい選び方です。けれども好きな香りであっても、それが希少で高価なものだったり、使いにくい特徴のために簡単に普段使いできないものだとしたら、それは初歩の方には不向きです。精油が貴重なために使うことに躊躇したり、一瓶を有効に使い切ったという初心者に大切な自信を得る体験をするまでに時間がかかってしまうからです。

たとえばローズの精油は多くの女性に好まれる香りですが、初歩の方がいきなり使いこなせる精油であるかどうかは私は疑問に思うところです。初歩の方にとって希少で高価な精油は、セルフケア実践を身につけるに不利な点になることもあるのです。(ローズの精油は精油界の女王のような、多くの人々にとって格別のもの!)

初歩の段階で大切なのは、「自信」と「慣れ」

新しい世界に踏み入ったときに、「難しそうだと思ってたけれど、やってみたら意外と簡単!」「私にもできた!」「楽しい!」という実感や自信を得ることはとても大切です。アロマセラピーならば、1本の精油を使い切ったという体験は自信につながり、ライフスタイルとして継続しやすくなります。

また自然療法としてのアロマセラピーは、不調の時だけでなく、日頃から使い慣れていることが精油の最大の効果を得るための基本です。精油を使って呼吸を整えたり、睡眠を良質なものにしたり、病気の予防のために心の状態を整えるなど、暮らしかたとして毎日でなくとも連続的に実践していくことが大切です。

苦痛が強く、いざ助けが欲しいとき、実践の習慣の土台がない状態で効能のある精油をいきなり手にしたとしても、最大の効果を得られるとは言いにくいところがあります。したがって、初歩の方は不調にぴったり合う精油と出会う以前に、ライフスタイルとして精油をすぐに手に取ることができるように使い慣れていることが優先なのです。

使いやすい精油を選ぶ

それでは、これからアロマセラピーを始めたい人はどんな精油をまず選んだらよいのでしょうか。それは、使いやすさを重視して精油を選ぶことです。

使いやすい精油を選ぶには、作用、用途、ブレンドのしやすさ、安全性、価格など総合的に見る視点が必要です。香りが好きで親しみやすいというのはもちろん必須の条件です。

たとえば、オレンジやレモンなどの柑橘の精油は多くの初歩の方に親しみやすい香りです。シトラスの香りは、日本人の老若男女に好まれ気分を明るくします。不調時だけでなく、日常的な部屋の芳香として馴染みやすいです。他のほとんどの種類の精油とブレンドしやすいので、カスタマイズの幅も広がります。安全のための基本の使い方を守れば、小さな子どもにも有効。比較的安価なので、買い求めやすいのも利点です。

多くの人にとって使用頻度の高い精油が使いやすい精油です。1本の精油には多様な効果と使い方があるので、組み合わせの可能性は無限大です。セルフケアとして最低限必要な精油はそれほど多くありません。すぐ手にとることができるように用意しておくと大変便利です。

基本の精油12種のリスト

何を隠そう、私自身も精油をもったいないことにしてしまった経験が初心者の頃にはよくありました。もし今の私がその頃の自分に提案するならば、どんな精油を並べるでしょうか。
 
そこで精油を12種類選んでみました。(12という数字。それは時の単位であり、星座、干支、使徒、縁起の数。)

風邪予防、メンタルの不調、女性特有の不調、消化器系の不調、痛み(主に頭痛や肩こり)、スキンケアなど、幅広く応用できる12本です。

香りを確かめながら「マイ精油リスト」をつくるのは楽しいことです。

【注意】
妊娠中や特定の疾患のある方は使用を控えるべき精油があります。あくまでも個人的な選択であることをご承知ください。

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ベルガモット Citrus bergamia
シトラスのフレッシュさに心地よい苦味のある香り。柑橘系の中でも特にストレスを緩和し憂鬱な気分を和らげる。

ユーカリ・ラディアータ Eucalyptus radiata
ユーカリ種の中でも、やわらかく甘い香り。空気を浄化し、呼吸を促す。子どもにも親しみやすい。風邪の流行期にとても有効。

ラベンダー Lavandula angustifolia
緊張を解き内面の静けさを取り戻す香り。心身の滞ったものを洗い流す。感情、肉体、精神、皮膚などのケアに幅広い応用ができる。

ペパーミント Mentha piperita
爽やかな香りの奥の甘さに集中。重い頭を軽くし、リニュアルさせる。消化器系の不調によく用いる。

サイプレス Cupressus sempervirens
深い森の香り。体液の循環、深い呼吸を促す。

ゼラニウム(ローズゼラニウム) Pelargonium graveolens
ローズに似た花の香り。感情、ホルモン、肌の調子を整える。月の周期との調和。

マンダリン Citrus reticulata
気分を晴れやかにして心を開く香り。心とからだを温め、親子のコミュニケーションを円滑にする。

スイート・マージョラム Origanum majorana
甘く温かみのある香り。情緒を緩める。深い眠りを助ける。ブレンドの名脇役。


カモミール・ローマン Anthemis nobilis
高貴な花の香り。興奮や炎症を鎮める。敏感で神経が疲れやすいときに。比較的高価だが利用価値は高い。

フランキンセンス Boswellia carterii
神秘で瞑想に合う香り。感情を平静にし、呼吸を整える。心身相関的な不調に。

ジュニパー Juniperus communis
針葉樹の香り。強力な浄化作用。心とからだのクレンジングに。

ローズマリー Rosmarinus officinalis
目の覚める香り。意識を明晰にし集中力と記憶力を高める。心身の疲労回復に。

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おしまいに

他にもセルフケアに有効な精油はたくさんありますが、まずは使いやすいものから使ってみることが大事。これらの12の精油を常備しておくと必要な時に慌てなくても大丈夫です。

柑橘系にはいくつか種類があるけれど、マンダリンを選んだのは私と息子が好きな香りだからです。

頭の中がいつも忙しい人は呼吸を深くすることが大切。ストレス強い時は呼吸が深くできません。そんな人は深い呼吸にを促す精油を選びます。

花の精油はローズではなくカモミールを選んだ理由は、「毋と子」に関わりのある精油だから。子育ての時期にいるお母さんならば、きっと合うと思います。

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