「病ではなく、人を観る」 エドワード・バッチ博士の物語①

 これは、心を癒す花の療法「バッチフラワーレメディ」を編み出したエドワード・バッチ博士のお話です。

 バッチは、1886年にイングランドのバーミンガム南部の緑豊かな村に生まれ、自然のなかで子ども時代を過ごしました。神秘の地といわれるウェールズ地方に家系のルーツがあるためか、彼は生まれながらにして霊感や直感力に優れ、生きものや人々への深い愛情を持ちあわせていました。

 やがて医師の道へ進み、細菌学者として功績をあげました。バッチは患者の慢性疾患が、腸内の細菌と密接に関わることを発見したのです。
 そんななか、ある特定の病原性細菌をもつ患者には、共通した性格や気質があることに気がつきました。たとえ異なる症状だとしても、類似したパーソナリティをもつ人たちに、気分、物事の感じ方、行動などに関するパターンを見出しました。
 そして患者の性格類型と7グループの腸内細菌を関連づけて治療薬を作り(バッチの7大ノソード)、慢性的な症状を改善させました。

 1919年、バッチはロンドンの大病院で細菌学者としての座に着きました。ある日、『オルガノン』というホメオパシーの創設者であるハーネマンの著書を読んだバッチは、自分のこれまでの研究と発見がハーネマンの説く治癒の法則と共鳴したことに心を動かされます。

 「真のヒーリングの原理は、病気ではなく、患者自身を診ることである。」患者の身体的症状ではなく、性格、人格、気分、感情などの心理的、精神的な側面が病気の治癒のために重要である、ということです。病気の治癒のためには、その人の内面や生き方も含めた全体的な視座が不可欠であることを確信しました。

 そしてバッチは、治癒の媒体となるものを自然界に求めるようになりました。腸内細菌の原料の代わりになるようなものを探し始めました。1930年、それまでのすべてのキャリアを手放し、自身の直観に導かれてウェールズに旅立ちます。ロンドンを離れ、野山を自らの足で歩きながら、人々の心を癒すための野草を探すことに胸を膨らませました。

(つづく)

参考文献
『心を癒す花の療法 フラワー・セラピーの世界』 ノラ・ウィークス 著、林陽 訳 / 中央アート出版社
『The Medical Discoveries of EDWORD BACH PHYSICIAN』 NORA WEEKS / DANIEL COMPANY

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